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ナイチンゲール看護研究所
Florence Nightingale Archive
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ナイチンゲールのつの素顔
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  7つの素顔
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プロローグ

伝説化されたナイチンゲール

フローレンス・ナイチンゲール(1820〜1910)は、世界中の誰もが知っている著名な人物ですが、彼女の素顔や業績について真に理解している人は、そう多くはないようです。

ナイチンゲールは、クリミア戦争において、女性がその一生をかけて打ち込むことができる職業として、看護職の存在を当時の世に知らしめた人ですが、彼女が上流社会出身で社会的身分の高い貴婦人だったこと、英国のみならずヨーロッパの社交界において、すでに若きナイチンゲールの人となりや知性が人々の口にのぼっていたなどの理由から、クリミアへの従軍が決定した段階で、世論は大いに彼女の動向に関心を抱き噂が盛り上がっていました。

 結果として、多くの取材や視察が行われ戦地の状況報告とともにナイチンゲール看護団の活躍の様子が報告される形で膨大な記事や情報が新聞や雑誌に掲載されました。中にはナイチンゲールが書いた手紙類を紹介した伝記の類もあり、それらも相当数にのぼります。つまり彼女は、デビュー当初から“有名人”になっていたのです。

それが、ナイチンゲールが「クリミアの天使」として騒がれる前提条件であったと思われます。しかし、多くの記事や噂は、クリミア戦争で活躍したナイチンゲールの姿を世の中に広く伝えることには貢献しましたが、ナイチンゲールという女性が本来備えていた卓越した多彩な才能や働きについては、語り切れていないように思われます。                          

わが国におけるナイチンゲール像も、そうした傾向をそのままの形で継承した結果、国民の間では“敵味方なく看病したクリミアの天使”“自己犠牲の精神の権化”“一生を看護師として身をささげた優しい女性”などとして定着してしまったようです。

しかし、これらのイメージは、いずれも事実とは大きく異なっています。
第一に、ナイチンゲールが戦場で敵味方なく看病したという記述はどこにもありません。
第二に、ナイチンゲールは“看護師は誰も自己犠牲を惜しまぬ白衣の天使であるべきだ”と強要した人ではありません。

 看護の仕事は、快活な、幸福な、希望に満ちた精神の仕事です。
犠牲を払っているなどとは決して考えない、熱心な、明るい、活発な女性こそ、本当の看護師といえるのです。


 この言葉こそ、ナイチンゲールが看護師たちに望んだ資質だったのです。
 ナイチンゲールは、その人がどんなに看護に対して熱い思いや意思を持っていたとしても看護の目的を理解せず、ただひたすら優しく親切に骨身を惜しまずに働くだけだとしたら、その行為は看護という職業のあり方から見て適切であるとは言い難く、ましてや看護は自己犠牲の中から生まれる実践であるとは考えてはいませんでした。
 むしろ看護職を1つの専門職として創起させたいと思っていましたから、看護師に求めたのは奉仕や献身の精神ではなく、大きな責任を自覚できる社会的に自立した精神であり、自己が選んだ職業に対して使命感を感じとることのできる優れて豊かな思考力だったのです。
 第三に、1820年5月12日生れのナイチンゲールは、90歳という長寿を全うした女性ですが、36歳の時にクリミア戦争から帰還したその後の54年間はベット上の生活を余儀なくされ、看護師として働いたのは、なんと2年半しかなかってのです。
 しかし、ほとんど外出がかなわない状況にありながら、この間にナイチンゲールが成し遂げた仕事こそ、クリミア戦争での活躍をはるかに越えて、後世に残る偉業だったのです。

 つまり、世間一般に伝えられているナイチンゲール像は、その大半が虚像にすぎないのです。それはナイチンゲール自身が、後半生の大部分を世間から隔絶された状態で生きることを望み、人々の前に姿を現さなかったことも原因の1つでしょう。
 それゆえに、ナイチンゲールのイメージは、早い時期に国民の間で固定してしまったまま伝説化された像が勝手に独り歩きしてしまったと考えられます。

 ここでは、ナイチンゲールの伝記およびナイチンゲールが書き残した膨大な著作を紐解きあらためて浮き彫りにされる“ナイチンゲールの7つの素顔”を紹介いたします。

《 ナイチンゲールの7つの素顔 》
 
   1.著述家としてのナイチンゲール
   2.看護の発見者 としてのナイチンゲール
   3.優れた管理者 としてのナイチンゲール
   4.衛生改革者 としてのナイチンゲール
   5.病院建築家 としてのナイチンゲール
   6.統計学者 としてのナイチンゲール
   7.社会福祉士 としてのナイチンゲール
     エピローグ
     参考文献
                                           
 
            
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